全国市長会、大学医学部新設を決議 地域医療の充実求める
全国市長会(会長・森民夫新潟県長岡市長)は7日までに、大学医学部の新設による地域医療体制の充実などを求める決議を採択し、政府・民主党と自民、公明両党に実現を要請した。
決議は、医師の不足や地域・診療科間偏在の実態を踏まえ、安心で質の高い医療サービスを安定的に供給するよう強調。そのために「医学部を新設して地域に根差した医師を養成するなど、医師の絶対数を確保するべく、即効性のある施策と十分な財政措置を講じる」ことを求めた。
社会保障制度の充実強化に関する決議に盛り込んだ。ほかに東日本大震災の復旧・復興など五つの決議も採択した。
東北75市でつくる東北市長会(会長・奥山恵美子仙台市長)は5月の総会で、同様に医学部新設を求める特別決議をしている。5日には、奥山市長らが関係省庁への要望活動を行った。
東北市長会事務局の仙台市は「全国市長会はこれまでも医師不足解消を要望してきたが、医学部新設が盛り込まれたのは初めて。東北の特別決議も反映された結果と受け止めている」と話した。
河北新報社は、東日本大震災からの東北再生に向けて「地域の医療を担う人材育成」を提言。その中で、仙台に臨床重視の医学部を新設し、慢性的に不足している病院勤務医の養成を推し進めるよう促している。
さて、現地の医学部新設推進派はこう言っているわけですが…反対派が何故反対するかというと、そもそもこの推進派の主張に懐疑的だからです
1.医学部新設は地域医療体制を充実させるか
まずここが問題になるわけですが、これには先例がありましたね?
35年ほど前の一県一医大考想と、10年弱前から始まった地域枠の評価が必要です
かつて、一県一医大考想があり、このため、全ての県に医学部(主に単科大)ができました
医学部新設が地域医療体制を充実させるかどうかには、まず一県一医大考想がその目的を果たしたのかどうかを検証しなければなりません
しかし、その検証はされてません…というより、現在も医師不足が続いている以上、少なくとも一県一医大考想は成功していないということになります
ぶっちゃけ、県の面積の半分くらい放棄している医大なんていくらでも思いつきます
そうなった原因は、元医学部長様が説明してくれています
「東北再生 あすへの針路」
2012年06月08日金曜日
<交付金減少、危機感が本音>
秋田大の医学部長を6年間務めた。
在任中、最大の課題は「いかに地域に定着する卒業生を育てるか」だった。
「地域枠」を設けたにもかかわらず、卒業生はなかなか地元に定着しなかった。
問題は今の医学部が「医療職人」の養成場になっているからではないか。
職人養成なら「総合病院の方が症例数も充実している」と学生が考えるのもうなずける。
全国医学部長病院長会議が「教育者の引き抜き」などを理由に医学部新設に反対している。
本音は大学が増えれば自分の大学に配分される運営交付金が減らされることへの危機感以外にない。
(仙台市青葉区・精神科医・飯島俊彦・68歳)
なぜここまでしっかりと現状把握されていながら、ゲスの勘ぐりとしか表現できない結論に至るのか理解に悩みますが…だからこそ定着しなかったのではないかと…
要は、医師免許というフリーパスを得てしまえば、症例の限られてる僻地に永久就職を希望する若手はいないということです
もっとはっきり言ってしまえば、限界集落には医師も近寄らないということです
結局、「医学部新設」も「地域枠」も地方の医師不足対策には特効薬なり得ないということです
僻地医療対策として医学部を新設するならば、地域限定医師免許を発行する意外にないでしょう
ただ、これには色々法改正が必要なので簡単にはいきません
現行法の枠内で、地域枠では卒後10年程度の病院を拘束している県もあります
しかし…まぁ、医師過剰のアメリカですら僻地や貧困地区は医師不足にあえいでいるらしいと聞いていますし、日本の病院限定の地域枠の1つは、しばらく前の卒業時に大量離叛を招いていることが報道されてますので、それで日本の僻地に若手が増えるかというとものすごく疑問ですが
また、新設にしろ就職先限定地域枠にせよ同じ欠点を抱えています
それは、来春から始動できたとして卒業までに6年、研修終了までに8年かかるわけで…
2.医師数増員は速効性のある施策か
という点においては明確にNoなわけです
こればっかりは単純な算数なのでどうしようもありません
医師数増員は、あくまで長期策でしかないのです
また、今から地域枠に手を加えたしたところで、初期研修が終わるまでにはどんなに最短でも、2020年になっています
医学部新設などしたら、2025年くらいになるでしょう
そのころには、日本の人口構造は今と全く変わります
地方は高齢化率は減少に向かい、逆にベッドタウンは激増します
つまり、今から10-20年後の医療事情に対処するために医学部新設をするなら、つくるのは僻地じゃなくてベッドタウンなのです
人口動態変化を無視した医学部新設には全く理はありません
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