昭和の遺物がまた頭の悪いことを統計学的に議論(笑)しているのでちょっと紹介しましょう
医学生の学力が低下、2008年の定員増以降
全国医学部長病院長会議、「医学部定員増には慎重な対応を」
2011年6月16日 橋本佳子(m3.com編集長)
6月16日に開催された全国医学部長病院長会議の定例記者会見で、医学生の学力が低下傾向にあることを示す調査結果が報告された。同会議の「学生の学力低下問題に対するワーキンググループ(WG)」が実施したもの。
同WGの座長で顧問の吉村博邦氏は、「過去5年間における医学部4年生に実施するCBTとOSCE、医師国試の合格率などには明らかな変化は見られない。医学生の学力低下は、2008年以降の入学定員増の影響が強く示唆される」と指摘、「偏差値がすべてではないが、一定の理解力、判断力などが求められる。これ以上の急激な医学部入学定員増は、医学生の学力低下を一段と加速することが懸念され、政府には定員増に対する慎重な対応を強く求めたい」と強調した。
調査は全国の医学部あるいは医科大学、計80校の医学部長あるいは教育担当責任者を対象に、2010年12月から2011年1月にかけて実施。主な結果は以下の通り。
【学生の学力低下問題に関する調査の主な結果】
医学部定員は、2008年に168人増、2009年に693人増、2010年に360人増。
◆1年生留年者数:2009年は、2008年に比べて有意に増加(P<0.047)
・53校(国立30校、公立2校、私立21校)のデータ
・2005年134人(入学者に対する留年者の割合は2.644人)、2006年131人(同2.556人)、2007年133人(同2.620人)、2008年148人(2.902人)、2009年176人(同3.178人)
◆2年生留年者数:2009年は、2008年に比べて増加
・53校(国立30校、公立2校、私立21校)のデータ
・2005年289人、2006年321人、2007年312人、2008年277人、2009年341人
◆「前期一般選抜試験の最終合格者」のセンター試験の平均点と最低点:2010年は2009年に比べて有意に低下(平均点:P<0.001、最低点:P<0.01)
・39校(国立30校、公立6校、私立3校)のデータ
・平均点:2006年90.1%、2007年86.6%、2008年88.5%、2009年86.2%、2010年84.5%
・最低点:平均点:2006年84.9%、2007年80.8%、2008年83.1%、2009年80.0%、2010年77.8%
1年生には、「生物、物理、化学」の補習も
さらに、「教員から学生の学力が低下している、という意見があったり、そのような傾向があるか」との質問に、「ある」と回答したのは、79の回答校のうち68校(86%)、「ない」は11校(14%)。
その根拠として、(1)授業中の態度(私語や教員の指示への対応)の変化、(2)1年生における理科(生物、物理、化学)の成績低下、(3)進級試験不合格者数の増加、などが挙がった。
学力低下の理由として最も多かったのが、「小中高の、いわゆる、ゆとりカリキュラム導入」、以下、「若者全体のモチベーションの低下」、「医学部教員の多忙」、「医学部定員の増加」などの順だった。
90%(70校)が学生の学力低下に対し、「何らかの対策を講じている」と回答。「1年生で生物、物理、化学などの補習を行っている」、「講義・実習の出席を厳しくチェックしている」、「学生にチューター・メンターをつけている」などがその内容だ。
これらの結果を受け、会長の黒岩義之氏は、次のように語った。
「この10年前くらいから、特に理科系の学力の低下がベースとしてある。さらに、5、6年前から18歳人口に対する医学部入学者の割合が低下していた。また、モデル・コア・カリキュラムは医学教育の全体的な底上げの意味ではいいが、一方で、画一化という点では、少しマイナスの面があった。これら複合的な要因で、医学生の学力低下が10年前、あるいは5、6年前から生じていたが、医学部定員増で、この問題が顕在化したと思っている。2008年以降の医学部定員増は、医師不足の緊急対策としては必要な、“治療”であり、功を奏したのは事実。しかし、その“治療”の副作用として、医学生の学力低下などが生じてきた。18歳人口はこれからますます減っていく。これ以上、入学定員は増やしていけない。医学部新設はあってはならない」
わざわざP値までだしてお疲れ様なのですが、医学部長会議がこんな程度の低いスタディたてるとは、やはり日本の学力低下は深刻なのですね(笑
近年の「入口」の学力低下は今さら今さら議論するまでもありません
定員増や地域枠(一般化したのは2008年以降)で、ほんの7~8年前までの私たち医学部定員削減時代であれば落ちてた層に門戸が開かれたんですから、平均や底辺が低下するのは当然です
ただ、それを証明する方法が間違ってるという話です
まず、国試の合格人数・合格率は政治的に調整されているのでマーカーになりません
次に、「学力低下」がいつからあったのかがまったく証明されていません
10年前からあったなら、2008年と2009年を比べて、定員増が悪いというのはミスリードになります
せめて臨床研修医の入学時および卒業時のデータも出すべきでしょう
仮に、10年前から学力低下があるが卒業時のレベルは変わらないというなら、
「入学時点はこれだけバラツキがありましたが、卒業時にはみんな必要レベルを達成しました」
と宣伝するところですよ?
いま問題なのは、入学者の底辺が広がったことではなく、そんな「ずっと前からわかりきってたこと」に対して大学が未だに結論を出せていないことじゃないでしょうか?
そもそも医学部定員増になったのは、医師不足が原因です
定員増のペースに教育改革が間に合わないから少し待ってくれとか、もっと金よこせとかいうならわかりますが、入学時学力が低下しているから定員を増やすなというのは、話が通りません
国家の方針に従い、教育を強化して底辺を引き上げて医師増員を目指すのか
大学自治にこだわり、医師個人のハイスペックのために少数精鋭にして底辺を切り捨てるのか
決めるのは、そこでは?
つーか、外からの患者みてると、「学力が高かった時代」のお医者さんが、そんな言うほどみんな優秀には見えないんですけどね…
医療がちゃんとシステム化されてれば、いままでよりも低いレベルの医師でも医療全体は底上げできますよ
米軍が、その辺のヤンキーを世界最高峰の一人前のソルジャーに育て上げるシステムとかは見習うべきだと思いますがね
単に、教授たちの運営能力のなさを、臨床研修必修化や定員増のせいにされてはたまりませんよ
「判断することを仕事とするトップは、アイデアを拒否する。現実的でないとする。イノベーションを可能とするのは、生煮えのアイデアを体系立った行動に転換することを自らの仕事と考えるトップだけである」(『断絶の時代』)
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