医療費:定額負担構想 税断念し苦肉の策 給付抑制なく、財政再建派に不満
患者から別途100円程度の徴収を--。そんな厚生労働省の「定額負担」構想は、難病患者らの負担軽減とセットになっている。東日本大震災の影響で強まる財政制約の下、弱者に優しい医療を実現し、「民主党らしさ」を示すための苦肉の策だ。ただ、同じ医療制度の中でカネをやりくりする案だけに、財政再建派が迫る給付削減には結びつかない。
「政権交代の果実」を示すのと同時に、「福祉の党」を掲げる公明党に秋波を送りたい民主党政権にとり、医療費の自己負担に上限を設けている高額療養費制度の拡充は格好の材料。化学療法の発達で、がん患者らは日常生活を送れるようになった半面、治療が高額・長期化し、医療費がかさむようになっている。
このため厚労省は、税と社会保障一体改革の議論が始まった当初から、制度の拡充を目指してきた。震災前、数千億円かかる財源は消費税増税で賄う意向だった。
ところが、震災後は空気が変わった。逆に給付抑制を迫られ、仕方なくひねり出したのが自前で財源を用意できる1人100円程度の定額負担だった。厚労省が今回の一体改革で強調している「支え合い」の理念にも合致すると踏んだ。
それでも、財務省や一体改革集中検討会議の財政再建派委員には、生ぬるく映る。一部委員からは「保険はビッグリスクに備えるものだ」と、保険免責制度の導入を求める声も出ている。
保険免責は医療費のうち1000円程度の一定額までは患者負担とし、保険適用はそれを超える部分にとどめる仕組みだ。重病に適用するのが保険で、風邪などの軽い病気には使わないという考えに基づく。数兆円の医療費削減が見込めるものの、厚労省や医療関係者には「医療が必要な人まで通院しなくなる」と抵抗感が強い。
政府内に医療費抑制ムードが強まる中、日本医師会の原中勝征会長は19日夜の検討会議直前、厚労省に細川律夫厚労相を訪ね、来年度の診療・介護報酬の同時改定見送りを要請した。「震災復興に全身全霊をささげるべきだ」。そう訴えた原中氏の腹の内を、厚労省幹部は「震災の影響で報酬が引き下げになることを嫌った」と読む。しかし、当の細川氏は最後まで明言を避けた。【鈴木直】
毎日新聞 2011年5月20日 東京朝刊
外来患者が重病患者を支えるとは、
大した「支え合い」ですな
「共倒れ」の間違いじゃないか?
呆れてモノも言えん
結論から言うと、厚労省案も財務省案も「あり得ない」の一言です
ただし、「あり得ない」の意味はまったく異なります
まず厚労省案ですが、これは受益者負担でもなければ、「自分の不測の事態に備える」という保険ではありません
なによりも、健常人が一銭も払わないという時点で福祉ではなく、立場の弱い人間にさらなる負担を強いているだけです
いったいどの様な名前で徴収する気なのか、是非とも聞いてみたいモノです
一方で財務省案も論外です
まず 「保険はビッグリスクに備えるものだ」という彼らの前提条件ですが、そもそもこれは真でしょうか?
安ければ、自動車保険や生命保険は支払われませんか?
また、軽症患者の受診は医療者の過負荷を招いている一方で、重症化を防いでいるのも事実です
行きすぎた軽傷者の受診抑制は重症患者を激増させることは海外で実証されています
結果として、重症救急患者と医療費の増加を招く可能性が大で本末転倒になるでしょう
そもそもが、震災で医療費増が先送りになるのは致し方ないとしても、患者負担を増大させるというのはどういう理屈でしょうか?
火事場泥棒以外の何者にも思えません
どっちにしても、システム変更とクレーム対応で、収入が一銭も増えないのに苦労する羽目になるのは末端の医療機関です
閉院する診療所は一つ二つではきかないように思います
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