医師不足解消へ、都道府県に派遣センター 厚労省が構想
2010年8月22日3時5分
厚生労働省は医師不足に悩む病院に医師を派遣する「地域医療支援センター」(仮称)を各都道府県に設置する構想をまとめた。事業費約20億円を来年度予算の概算要求に盛り込む。医師不足の病院に医師を送る仕組みを国が全国的に整えるのは初めて。
医師が不足している地方では、地元大学の医学部に、卒業後に地元で一定期間働く意思を示している人を対象にした「地域枠」を設ける動きが広がっている。そこでセンターは、地域枠出身の新卒の医師らを病院に派遣する。地域枠出身の医師に10年近く残ってもらう地方が多く、多数の若手医師を効果的に配置するには、派遣先を一元的に調整する必要があるためだ。
同省は全国約8800の病院を対象に、不足している医師数を調べている。結果をセンターに提供し、効果的な派遣に役立ててもらう。
また、センターは傘下の若手を長期的に育てるため、指導できる医師が多い病院に支援を求めたり、若手が仕事を休んで学会や研修に出席しやすいよう代わりの医師を確保したりすることも検討している。指導できる医師の養成にも力を入れる。
都道府県によるセンター直営や外部委託が想定されている。派遣とは別に、地域での就職を希望する医師を病院に紹介する事業も手がける。
医師不足は2004年に新卒医師に2年の臨床研修が義務づけられたのを機に深刻化した。様々な病気の患者を診療できて経験を積める都市部の総合病院が人気を集める一方、大学病院は敬遠され、周辺の病院に派遣していた医師を引き揚げて医師不足を招いた。(月舘彩子)
とんでもないことを次々とさらっと言われてて突っ込みどころに困るのですが、要は官製医局をつくりたいと判断して良さそうです。
しかし、これ、医師のキャリア形成を知っている人間がつくったとはとても思えないPlanです。
まず根本的に、地域枠出身者はこのセンターとやらに強制加入させられるのでしょうか?
法的に問題があると思わざるをえません。
そもそも法的な問題以前に、医師不足の病院に新卒医師を派遣するという発想がまともとは思えません。
まずそういうところには指導医が不足しています。他の病院だって、他病院に指導医クラス派遣できる余裕はありません。そんな余裕があれば地域医療は崩壊してません。はたして地域枠出身者に、まともな教育ができるのでしょうか?
また、そうした病院であれば、学会認定を得ていない事も容易に予想されます。
そういう病院を卒後10年間回らされた地域枠出身者は、その後、果たしてどんな医師になっているのでしょうか?どんな病院に就職できるのでしょうか?彼らは、次世代の地域枠出身者の指導医たり得る能力を得ているのでしょうか?
内科認定医もとれず、総合医としか名乗れない医師が量産される可能性も充分にあり得そうです。
また、この辺をクリアできたとしても、「一元的に管理」など不可能です。病院の人事権については、今でさえ古い隣の医大とその県の新設医大で摩擦とか発生しているのに、 さらに火元を増やすだけになりかねません。
地域枠出身者にどんなポストが用意されるのか、想像するだけでも恐ろしいです。
結論から言って、これは地域枠出身者をどこにも行けなくして死ぬまで飼い殺しにする制度としか私には思えません。
これは、地域枠の本来の目的に反する結果しか生まないでしょう。
そもそも、地域や大学にどうして医師がいなくなったかという根本原因解決せずに、強制労働でどうにかしようという発想が私には信じられませんが…
病院に人を増やしたいなら、過労死ライン余裕越えの労働時間とか、大学研修医の給与を実労働時間で時給換算すると、一般職のアルバイト並(助教でも看護師以下?)の給与という現実をどうにかする方が正道であり、それ以外の道はないと思うのですが…
アルバイトの平均時給額が上昇傾向、7カ月連続で前年同月比を上回る - 10/08/30 | 12:15
求人情報サービス「an」を運営する株式会社インテリジェンスは、PCサイト、モバイルサイト、有料求人誌、フリーペーパーの掲載情報をもとに、毎月、アルバイト(人材派遣・接客を含む酒類提供職種を除く)の平均時給額を調査している。
2010年6月の調査結果は、以下のとおりとなった。 全国平均時給額は998円で、前月から8円のプラス。また、前年同月比では25円プラスとなり、7カ月連続で前年同月比を上回る結果だった。
これらの結果について、「an」担当者はこう話す。
「この数ヶ月は求人数も堅調。リーマンショック以降は、2009年6月まで10ヶ月連続で前年同月比が下回ることもあったが、景気回復に伴った基調の改善と言えるだろう」。
上位を占める三大都市圏、他エリアと格差
全国をエリア別に比較すると、関東エリアが1,071円で最も高く、東海エリアが980円、関西エリア970円、北海道エリア816円、九州エリア813円、と続く。
三大都市を擁する上位3エリアは、2008年1月以降、1000円前後を推移しており、関東エリアにおいては1000円以上をキープ、対前年増加率は全職種がプラスになった。一方、九州エリアと北海道エリアはやや低く、800円前後を推移している。
医療・教育関連の強さが浮き彫りに
職種別(事務系、販売系、フード系、サービス系、運輸職系、技能・労務系、専門職系、の7職種に分類)の比較では、2位の運輸職系1,042円、3位の事務系1,021円に差をつけ、専門職系が1,212円でトップだ。
専門職系の中でも全国的に高額なのは、1位から順に、薬剤師(1,769円)、家庭教師(1,765円)、看護師(1,555円)、塾講師(1,445円)などで、「専門的知識に対しての評価はもちろん、ニーズの絶えない医療・教育の分野はやはり強い。」(「an」担当者)。
対前年増加率で見ると、販売系6.5%、運輸系6.2%、事務系5.3%が特に伸びており、全体の増額につながった。なお、営業系はサンプル数が一定に達していないことから、今回は調査対象外としている。
今後も経済情勢をにらみながらの動きとなろうが、派遣法改正議論による影響なども注目される。
(フリーライター:児玉磨由子=東洋経済HRオンライン)
どうやら、この調査結果には「ただし医師は除く」という注意書きが足りないようですね?(笑
とりあえず、地域枠に既に入っている方にはこれだけは言っておきます。
いざというときに奨学金を全額叩き返せるようにお金貯めておいた方がいいかも知れませんよ?