県内医療レベル 統一を
金井忠男 県医師会会長
2011知事選 課題の「4年」
さいたま市で先月、交通事故に遭った車椅子の女性が、相次いで救急搬送を拒否される問題が起きた。新聞記事を目にした県医師会会長の金井忠男さん(67)はすぐ、関係する病院に連絡を入れた。どの病院も「外科医がいなかった」と答えたという。施設の数や質など、県内で最も医療が充実しているはずの県都で起きた。「この地域で起きるということは、どこでも起きる可能性がある」
1998年に7726人だった県内の医師数は、2008年には9954人に増加した。しかし、若手医師は過疎地を敬遠する。患者側の大病院志向もあり、本来、高度な医療を受けるべき患者に医師の手が回らないという現状もある。こうした複合的な要因が絡んだ結果が「医師不足」だ。
県は09年度以降、若手医師を県内に引き込むため、研修費の貸与制度を拡充するなどしてきたが、こうした行政側の取り組みが特効薬になるとは考えていない。その一方、他県では、医師や看護師らを確保するため、隣県などから人集めをするような動きも起きているという。「単なる奪い合いでは何の解決にもならない」と金井さんはクギを刺す。
東京に隣接する都市部と過疎地域の混在。埼玉の「日本の縮図」ぶりは医療界にも通じる。「県内の医療レベルは統一化されなければならない。日本のモデルを埼玉独自で作りたい」。定年を迎える団塊の世代、子育てを終えた女性の医師らを人材として活用できないか。県北部のように、他県の医療機関のほうが素早く搬送できる地域もある。「県は音頭取り、調整役を果たすべきだ」と考える。
金井さんは年に最低4~5回は、仕事やプライベートで横浜を訪ねる。駅や街を歩く若者が多く、景気が悪いというここ数年でも、新しいホテルやデパートが次々にできていることに驚かされる。30年暮らす埼玉との違いを痛感する。「全国から注目されるような大々的な観光地でなくていい。若者がさっと集まってくるような魅力が必要。医者も若者の集まりに参加する一人だから」
(2011年7月27日 読売新聞)
ええと、この県医師会長さん、非常に正しいところと、非常に残念な混在しててどう突っ込んだものやら(笑
とりあえず分類しましょう
<正論>
・医療スタッフの共食いは問題の解決にならない
・魅力ある町じゃないと医師は来ない
これは、もう、残念なことに厳然たる事実であり、それ以外のなにものでもありません
比較対象が横浜なのはよくわかりませんがね…
だからといって、 ここまで堂々とハニートラップかましにこられるともう笑ってやり過ごすしかありませんがw(http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/node_191345)
<意味不明>
・埼玉は日本の縮図
いや、純粋に意味わかんないです
東京都中心部と地方都市と僻地がそれぞれ違いすぎて、縮図なんて存在しえないと思いますがね?
まぁ、ここまではただの話の枕です
本命はこれから
<間違い>
・応需不能が県庁所在地で起きたから埼玉県全土で起こりうる
・圏内の医療レベルは統一されてなければならない
まず、応需不能(マスゴミ的「たらい回し」)が起きるのは、基本的に医療機関が潤沢な都市部もしくは都市部に丸投げしようとする近郊に限られます
僻地なんて、「たらいを回す相手」がいませんからね?
むしろ、医療は東京に丸投げしている印象があった埼玉県に、回せる医療機関が複数あることを誇るところかも知れませんよ?
さて、ではなぜ医療機関が比較的潤沢な都市部で応需不能が起きるか?
それは、医療スタッフを各医療機関に分散させてしまったために、各個撃破に持ち込まれているからです
あー、私が今何言ったかわからない人は、戦略シミュレーションゲームを自力でクリアできるようになるまで医師不足の議論には加わっちゃいけません
拠点分散→戦力分散→防衛力低下→各個撃破→全滅
の基礎がわからないで医師不足の話をするのは、1+1=2を知らないで相対性理論を解こうとするようなものです
スタッフも設備も予算も限られた現実世界において応需不能を防ぐには
医療スタッフ集約化→医療機関集約化→調整された医療格差
しかあり得ません
そういうことを無視して医療レベルを統一するというのは、医療レベルを全国最低ランクにそろえる結果にしかなり得ません
…と言うことをわからない人が県医師会長という時点で、歴代の医師会と医学教育の罪深さが垣間見えた気がします