2011年9月19日月曜日

日大練馬 その後

日大練馬の後継が決まったようです



日大練馬光が丘病院の後継は地域医療振興協会
 練馬区は9月16日、区議会の医療・高齢者特別委員会を開催し、日大が来年3月末での運営撤退を表明している練馬光が丘病院(一般病床342床)の後継法人として、公益社団法人地域医療振興協会を選定したことを公表した(関連記事:2011.9.8「日大が練馬の病院から撤退」)。区は今後、病院引き継ぎに関する協議会を設置して詳細を詰めていく方針だ。
 同病院は1991年の開設以来、一貫して支出超過が続いて2010年度の累積損失は90億円弱に達していたことから、日大本部が「この状態が続けば学校法人自体の存続も危うくなる」(広報課)と考えて撤退を表明していた。これを受けて練馬区は8月1日に後継法人の公募を開始。4法人が応募したが、運営方針などをまとめた提案書を提出する段階で2法人に絞られていた。その後、医療関係者や有識者で構成される選定委員会が2回にわたって審査した。
 その結果、(1)多数の自治体病院の運営を受託している、(2)運営を担っている東京北社会保険病院の分娩や救急受け入れの件数が練馬光が丘病院と同水準である、(3)小児・周産期医療を継続するために必要な医師数が提示されている―といった理由から、地域医療振興協会が後継法人に選ばれた。ただし、撤退の意思や引き継ぎ時の協力について、区が日大に確認することを求める付帯意見も付された。
 選定委員会の付帯意見を受けて区は9月14日に日大本部と直接話し合い、撤退方針に変更はないこと、現在の患者について責任を持って支援することなどを確認したという。最終的に区長の志村豊志郎氏が後継法人を決定した。
 16日の医療・高齢者特別委員会では、地域医療振興協会が常勤の小児科医15人、産科医5人を確保し、練馬光が丘病院と同じ水準の小児科・産科医療を確保する意向であることが示された。
十分な医師・看護師を確保できるのか危惧 練馬区が後継法人を選定したのを受けて同日、「日大光が丘病院の存続を求める区民の会」は会見を開き、地域医療振興協会の運営で従来の医療水準を維持できるのか懸念を示した(関連記事:2011.9.9「撤退表明の日大練馬光が丘病院、地域住民が日大の継続運営求める」)。
 その理由として、(1)同協会はへき地医療を中心とした地域医療の振興のために設立された法人で、日大が提供してきた高度医療の実施は本来的な役割に沿ったものとは言いがたいこと、(2)ここ数年間で急激に運営医療機関を増やしているほか、来年4月から新たに浦安市川医療センターや三重県立志摩病院などの運営を開始する予定で、その状況下で光が丘病院においても十分な医師・看護師が本当に確保できるのか危惧されること、(3)実際に、スタッフ確保がままならず医療機能の後退が深刻になっている運営病院があること―などを挙げた。
 さらに、練馬区が一度も住民説明会を開いておらず、今回の後継法人選定の詳細ないきさつも明らかにしていないことへの不満も示した。同会は引き続き日大による運営継続を求め、同大に撤退方針を白紙に戻すよう要求していく考えだ。


さて、まぁ区民の会の過大な要求は置いておいて
(もともと自治体病院だし、区内に大学病院が2つも必要か?)

最近よく名前を聞く、「地域医療振興協会」ですが、文字通り地域医療を目的とする公益社団法人の様です
自治医大OBによりつくられた組織のようで、会長は現職の自治医大学長です
業務内容的には…済生会や赤十字に近いのでしょうかね。約50の病院・診療所を運営しているようです。病院は20ですね
自治医大の関連病院としてみると、かなり大規模ですね


首都圏の直営病院としては、来年オープンする浦安市川医療センター(344床)と並んで練馬が2つめとなるのですが
(浦安に続いて練馬って…この協会は順天堂に対抗心でもあるんでしょうか?)

協会が擁する医師数は研修医含め590人で、常勤の小児科医15人、産科医5人とか、はたして言うだけの医師数を実際にそろえられるのかは同業からみても疑問が残ります
小児科医15人って、地方医大の病棟医並の数だと思うのですが、そんな簡単に集まるなら医療なんて崩壊してないと思ってしまいますが…

来年の以降までに半年ほどしかないのですが、それまでに再び紙面を賑わすことがないよう願うばかりです

2011年9月14日水曜日

日大の変

30年後のための根本的な医療改革のためには大学病院が3つくらいはつぶれる必要があるのではないかと考え始めてるこのごろですが、なんと真っ先に東京から火が上がりました


切り捨てられた地域医療:日大練馬光が丘病院撤退
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20110906ddlk13040295000c.html

◇民法盾、強引に舵切る 「理事会判断」説得力欠く
日本大学(千代田区)が7月、地域の中核病院の役割を担ってきた医学部付属練馬光が丘病院(練馬区)の事業から今年度末で撤退すると表明し、地元が揺れている。区は後継病院を募集し選定を進めているが、病院選定や引き継ぎの混乱なども予想され、医療サービスの停滞が懸念されている。都心で進行する「医療危機」の現場を探った。【吉住遊】
昨年2月、練馬区の区長応接室。日大の総務部長ら8人が、当時の副区長をはじめとした担当者と向き合っていた。その半月前には日大からの要請を受け、区が病院の経営支援を決定したと通知したばかりだった。区側の関係者の一人は「支援の打ち合わせかと思っていた」と振り返る。だが、総務部長が口を開くと区側は言葉を失った。「病院からの撤退を含めた検討をしている」。そして、こう続けた。「理事会の判断です」

病院を開院するに当たり、土地と建物を所有する区と日大は「(病院の)賃貸の期間は91年4月から30年間」とし、日大が地域医療の充実を図るという協定書や契約書を交わしていた。区は病棟を改修したり土地や建物の使用料約3億円を免除・減免する支援を約束。だが病院は、毎年平均4・5億円の赤字を計上し続ける。この状況に、理事会は09年11月、「賃貸借は20年が限度」との民法の規定を持ち出し、半ば強引に「撤退」に舵(かじ)を切ったとみられる。
両者はその後も20回近くの協議を重ねるが不調に終わる。「最後通牒(つうちょう)」は今年7月4日。大学側の代理人を務める弁護士名で志村豊志郎区長あてに「9月10日までに引き継ぐべき医療機関」を求める封書が届く。医学部や病院職員に大学から連絡があったのは、その後だった。


「一体、何があったのか? 日大が一方的に契約を打ち切るのは理解できない」
8月16日、区内のホールであった区民集会で、区民の会の代表を務める男性が声を上げた。病院の存続を求めて急きょ開催が決まった集会には、会場いっぱいとなる約250人が押し寄せた。
病院関係者によると、同病院の赤字は経営改善に加え、10年4月には医療報酬の引き上げもあり、10年度は約1億円まで減少していた。11年度は4~6月で前年同期比で1億5000万円以上の増益を確保し、開院後初めて通年で黒字に転じる見通しだったのだ。だが「撤退」の方向性が示されて以降、大学の理事会で病院の財務状況が顧みられることはなかった。
大学の一方的な決定に医学部からも反対の声が上がっている。系列の駿河台日大病院で小児科の総医局長を務める斎藤宏助教(36)は、病院存続を求め、区や大学に訴えてきた。斎藤助教はこう憤る。
「医師会も区民も医学部も、誰もが病院の存続を望んでいる。こんな簡単に地域医療がないがしろにされていいのでしょうか」
大学側は取材に「病院が黒字に転じても医療報酬の改定、自治体の支援など、不安定要素が存在するため、経営資源をほかの二つの付属病院に集中する方針に変更ありません」とコメントしている。
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■ことば
◇日大医学部付属練馬光が丘病院
経営不振に陥った練馬区医師会立光が丘総合病院を日大が引き継ぎ、91年に開院。心臓循環器や脳卒中の専門医療に加え、小児、周産期、救急の分野で地域との連携を進めるなどし、中核医療機関として機能してきた。18の診療科があり、ベッド数は342。常勤の医師約120人、看護師約300人を抱える。区内の200床以上の病院はほかに、順天堂大医学部付属練馬病院と練馬総合病院がある。
〔都内版〕


というわけで現在、大炎上中のようです
ヒートアップする区民をよそにほとんど沈黙を続ける日大ですが、ことは日大全体の信用問題にもなるだけに、この対応はあまりに強硬でリスキーです
しかしそうであるが故に、私はこれを、メディアで騒がれているような単純な経営問題ととらえるのは違うような気がしています

というのも、実は同時期に他の付属病院のも動きがあり、これは練馬単独の問題ではなく、日大付属病院全体の戦略の一つでしかないと考えられるからです


【東京】日本の中枢担う千代田区から高度な災害拠点病院消滅の波紋
http://diamond.jp/articles/-/13888 

 国会や官庁のお膝元である東京都千代田区に同様が広がっている。東日本大震災が発生したにもかかわらず、重篤な患者に対応する災害拠点病院が区内からなくなってしまうことが判明したからだ。
 この病院は、心肺停止など集中治療室での治療を要するような重篤な患者に、高度な医療を提供する3次救急施設として活動してきた駿河台日本大学病院(救急救命センター)。3次救急に対応する東京都災害拠点病院としては区内で唯一の受け皿となってきた。
 それが、2014年に近隣に新病院を建設、移転するのに伴って、3次救急から撤退する方針を固めた模様なのだ。
 日本大学本部は「現段階は病院機能を検討中のため、コメントは差し控えます」とする。しかし今年7月、地元の町内会や大学、企業の代表者ら約30名を集 めて開いた「神田駿河台まちづくり協議会」の席上で日大は「(入院・手術に対応する)2次救急の病院となる。3次救急だと施設基準などが厳しい」と、すで に撤退の理由まで明らかにしている。
 これに対し地元は猛反発。今後も話し合いは続くが、「いずれ千代田区は東京都に、地元医師会は都医師会に対して存続に向けた要望書を出す予定」(関係者)。
 新病院の開設にあたっては、都の許可が欠かせないだけに、ある病院関係者は「都の審議が紛糾するのは必至」と見通す。
 日本の中枢昨日を担っている千代田区から、大災害など救急時の”最後の砦”が姿を消しかねない事態。関係者は、事の行方を固唾をのんで見守っている(週刊ダイヤモンド』委嘱記者 内村敬)



【東京】日大、御茶ノ水に新病院 14年秋開設 耐震強化、床面積2倍
 日経新聞 2011/8/11
 日本大学(東京・千代田)は2014年秋にも、御茶ノ水駅近くに同大付属の新病院を開設する=写真は完成予想図。築50年近くを経過した駿河台日本大学 病院を移転するかたちで、地上11階・地下2階のビルを建てる。首都直下型地震に備え耐震性を強化するほか、病床当たりの床面積を2倍とし医療の質の向上 を狙う。診療部門では脳疾患、心臓病などの生活習慣病への対策に重点を置く。
 法科大学院の校舎などがあるお茶の水キャンパスの一部に新病院を建設する。来年4月に着工する予定。総事業費は公表していない。
 病院の延べ床面積は約3万平方メートル。病床数は現在の約410床から約320床に減らす。1床当たりの床面積は現在は約37平方メートルだが、新病院 は約80平方メートルに拡大し、一定の広さが必要な救急医療などに備える。病床数の減少はベッドの稼働率向上でカバーする考え。
 06年度実績で1日の外来患者数は約1200人。都心部で働く人や住民の需要に合わせて、予防医療や人間ドックなどに力を入れる。具体的な診療科目は未定だが産科医療は廃止する方向だ。
首都直下型地震に備えて自家発電装置を備えるほか太陽光発電のパネルなども設ける。食料や飲料水も備蓄し、周辺のオフィスや教育機関からの一時避難にも備える。
 日大は板橋区内や練馬区内にも付属病院を持っている。練馬区の練馬光が丘病院は12年3月末に運営から撤退する方針を決めている。



全体としてみると、不採算部門撤退、戦線縮小、機能特化という標準的かつ冷酷な経営戦略であることがわかります

また、気になるのは、練馬のスタッフがどこに行くかです
残念ながら「中の人」に知り合いがいないので想像でしかありませんが、普通に考えると他の付属病院に再配置されると思われます
であるなら、これは戦力の集中化であり、「医師過剰」と評される東京のド真ん中の日大が深刻な医師不足にあることになり、問題の本質が変わってきます
実際、撤退を決めた練馬の説明文にそれを思わせる一文があります



日本大学医学部付属練馬光が丘病院の運営終了について
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/hikari/news/20110719160951.html 
2011/07/19
 日本大学では,医学部付属練馬光が丘病院の運営を平成24年3月をもって終了することに決定し,同病院建物の所有者である練馬区と,新たな医療機関に病院事業を引き継ぐ方向で昨年より話し合いを進めてきました。
この度,運営終了に関する話し合いの内容の公表につき練馬区の同意を得ましたので,下記のとおりご報告いたします。


1 契約期間の満了
日本大学は,経営破たんした練馬区医師会立光が丘総合病院の後を受けて,平成3年4月に医学部付属練馬光が丘病院として診療を開始いたしました。以来20年間にわたり練馬区を中心とした地域の皆さまにご利用いただき,救急医療,周産期医療,小児医療,心疾患等の高度医療にも力を入れ,地域医療の中核的役割を担ってまいりましたが,本学と練馬区との間で平成3年4月1日に締結した基本協定および公有財産貸付契約の賃貸借関係は,平成23年3月31日に終了いたしました。しかし,本学は新たな引き継ぎ先の医療機関を探している練馬区からの強い要請を受け,地域の皆さまにご迷惑をお掛けしないよう,病院運営の終了を1年間延長いたしました。また,本学は,昨年から始めている練馬区との話し合いに,現在も積極的に協力しております。 

2 患者さまの安全と安心のために
引き継ぎ医療機関が決まり次第,円滑に引き継ぎを行うのは当然のことですが,受診中の患者さまの生命や安全を第一に考え,患者さまにご安心いただけるよう本学付属板橋病院や付属駿河台病院,更に他の関連病院と連携を図るなど,責任を持って患者さまのサポートをさせていただきます。 

3 地域医療充実を目指し倒れる医師も…
本学練馬光が丘病院が経営破たんした医師会立病院から引き継いだ病院棟は,建物そのものが大学病院仕様ではないことから診療効率が悪く,また,医療機器などの設備面も老朽化が進んでおります。しかし,練馬光が丘病院では,患者さまに少しでも高度な医療ときめ細やかな診療,看護などの医療サービスの提供を心がけてまいりました。  さらに地域医療充実のため,日夜病院運営に心血を注ぎ,診療中倒れる医師が出るほど懸命の努力をし,さらに経費削減のため様々な方策も断行してまいりました。  そのような努力にもかかわらず練馬光が丘病院は,開設以来,長期にわたって支出超過の状態が続いているのが現状です。これまでの収支の差額の累計は約マイナス90億円,開設時に練馬区に差し入れた無利息の保証金50億円と併せると現時点での日本大学の負担は,約140億円にものぼります。このままの状態が続くと練馬光が丘病院だけでなく学校法人日本大学そのものが経営破たんということにもなりかねない状況です。本学はこのような状況でも地域医療充実のため努力してまいりました。 

4 入院・外来診療に関するお問い合わせ
日本大学医学部付属練馬光が丘病院庶務課
 電話:03-3979-3611(代表)



流石にこんな事で嘘はつかないでしょうから、労災が起きたと予想されます

…そういえば、日大って2006年に初期研修医が過労(週72.8時間勤務。つまりウチの大学の研修医と同程度)から鬱になり自殺者が出ていましたね
特に労基署に踏み込まれたという噂は聞いた覚えがありませんが、経営問題だけでなく、労働環境も今回の戦線縮小に影響している可能性が考えられます





ところで今回のテーマからは完全に余談になるのですが、練馬撤退報道を受けての区民の行動は失望以外のなにものでもありません



日大の撤退は「区民の命をないがしろに」- 光が丘病院の存続求める区民の会 

  「日大光が丘病院の存続を求める区民の会」の小園井智代代表らは9月8日、東京都庁で記者会見を開き、日大が来年3月末で練馬光が丘病院(練馬区)の運営からの撤退を表明している問題について、「日大と練馬区の態度は、わたしたち区民の命をないがしろにしている」「地域医療、特に小児医療の機能を低下させるもので、断固認めることはできない」などと訴えた。
  この問題をめぐっては区が8月、日大に代わる運営法人の募集を開始。名乗りを上げた4法人のうち、2法人が運営方針などをまとめた企画提案書を提出している。区の選定委員会は、12日に両法人の最終審査を行う方針を示している。
区民の会の神津眞久事務局長は、同病院は十分に持続可能な経営体質と、区民の生活に不可欠な機能を持っていることなどから、「撤退は認められない」と強調した。また、区が撤退を認めて後継法人の募集を開始したことについては、「区民抜きで、区民にとって極めて重要な地域医療の改悪を進める点で、住民自治の精神に反し、許されない行為だ」と批判。その上で、日大への適切な指導・監督を直ちに行うとともに、契約関係の継続を確認すべきと主張した。
神津氏はまた、後継法人に求められる条件に、小児科医療に携わる医師数などの具体的な数字がなく、日大が従来行ってきた医療の水準が維持されることはほとんど期待できないとの懸念を表明。「医療水準が維持されることが確認できるまでは、日大の撤退を許可しない。それが今、区が果たさなければならない責任だ」と強調した。
また、区民の会の小山謙一氏は、区に対する住民監査請求の準備と、後継法人の選定にかかわる記録などの情報公開の要請を今後、行っていく考えを示した。
監査請求の時期については、「区と日大が翻意すれば、しばらく猶予することになる。現状では、早い機会に行われる可能性が高い」と述べた。



この区民の会の人がどれだけ偉いのかは知りませんが、恫喝でどうにかなると考えているなら社会人失格だと思います

意趣返しをするなら、「練馬区民の会の態度は、私たち医師の命をないがしろにしている」「医療者のQOLを低下させるもので、断固認めることはできない」となるでしょうか?(笑

仮にこれで病院が残ったところで、こんな、病院を区民の奴隷と考えているような人たちのいる地域に望んで赴任する医師はいないでしょうよ
柏原病院がなぜ生き残れたのか、そこから勉強してくるべきでしょうね

そもそも、日大は私企業であり、経営陣は職員の生命と生活を守る義務があります

日大の本心がどこにあるのかはまだ明らかにされていませんが、これから起きる首都圏の超高齢化。国が画策している医師の地方への強制配置、研修医定員減を計算に入れているなら、10年単位で先を見越した大英断になるでしょう

2011年9月3日土曜日

新大臣誕生

首相交代に伴い、厚労省大臣も交代しました
副大臣からの昇格とのことですが、正直言って副大臣としてのこの人の活躍はまったく記憶にありません
はたしてどんな人物なのか、少し追ってみましょう


http://ja.wikipedia.org/wiki/小宮山洋子
 小宮山 洋子(こみやま ようこ、旧姓加藤、1948年9月17日 - )は日本の政治家、元アナウンサー。民主党所属の衆議院議員(4期)。厚生労働大臣(第14代)。
厚生労働副大臣(菅第1次改造内閣)、民主党財務委員長、参議院議員(1期)を歴任。
元NHK解説委員・アナウンサー。元東京大学総長の加藤一郎は実父。

元NHK解説員とは、弁論は他の政治家よりは手強そうです


…と思いきや、早々に失言をかましてくれそうな予感



政策・主張
政治的には進歩的・左派的な傾向が強く、1999年8月、参院本会議の国旗・国歌法に反対し、また、民法改正による選択的夫婦別姓導入に積極的な立場である。
1999年、日本の戦争責任資料センター代表の荒井信一が主催する「恒久平和調査局設置を求める院内集会」に参加。
禁煙行政に力を注いでおり、超党派による禁煙推進議員連盟の事務局長を務めた。「たばこ増税」にも積極的な立場であり、「日本のたばこの価格は安すぎる。少なくとも倍か、それ以上にしたい」として、たばこの価格を欧米並みの一箱1,000円程度にするべきと主張しており、税収の増加分に関しては「健康や福祉に還元していきたい」としている。
在日外国人への参政権付与の推進者であり、大韓民国民団中央本部アンケートによると、日本で外国人参政権が実現しない理由については「日本人は日本国の国民とは日本人のことという意識が強いため」と主張している。2008年1月には、在日韓国人等に参政権を付与することを目的とする在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟に参加した。
2009年3月、小沢一郎党代表が政治資金規正法違反疑惑後も代表続投を表明したことに対し、「政権交代のための態勢をとることが第一だ。本当はここでお引きいただくのがいい。お詫びや言い訳をしながらでは厳しい選挙を勝てるとは思えない」と主張、民主党内で初めて公然と小沢の辞任を要求した。
民主党が政権交代以前に策定していた「次の内閣」では、党代表の遷移毎に「ネクスト文部科学大臣」や「ネクスト子ども・男女共同参画・人権・消費者担当大臣」、「ネクスト法務大臣」、「ネクスト環境大臣」のポストに名前が挙げられていたが、政権交代後の実際の鳩山由紀夫内閣では小宮山の入閣は実現しなかった。小宮山は組閣が確定した2009年9月16日の「小宮山洋子の日誌」の記事にて、「各グループに配慮したと言われていて、わりと年輩の議員が並び、女性が社民の福島さんと民主の千葉さんと2人の参議院議員だけで、ちょっと寂しい感じです」と述べた。
人物 
「傍聴席から見下ろすと、紺やグレーの背広を着た男性議員ばかりの議場は「ドブネズミ色」に見える」と発言したことがある。
なお、大学時代の同期生に歌手の森山良子と作家の筒井ともみがおり、3人そろってのTV共演歴もある。
2008年、選挙カーのガソリン代の不正請求をTBSニュースに報じられた。選挙カーおよび伴走車の分を含めて、概算で請求をしていたことを認め、不適切であったとし公費負担分を返還した。
2011年東北地方太平洋沖地震に対する不健全な政府の対応について「初めてのことであったから」と発言している

えぇと、どうも主義主張が強い割にえらく脇が甘い印象がありますが…
大臣就任会見はどうだったのでしょうか?


「大きな拍手の中、初登庁 ─ 小宮山厚労相」より抜粋
http://lohasmedical.jp/news/2011/09/03041418.php


[男性記者(日経新聞)]  すいません大臣、日経新聞のヤナセですが、雇用問題とかですね、子どもの分野について今までいろいろお話を伺ってますけれども、大臣になられて、年金とか医療についてですね、いい機会ですので、どういう今、問題意識と言いますか、どこが良くなって、あるいは一体改革と関連してどういうふうに直していったらいいんだろうかという辺り、お話を伺えますか。

[小宮山洋子・厚生労働相]  そうですね、年金についてはやはり、これからの年金制度をどうするか、新しい年金については社会保障制度審議会(ママ)で今、審議を始めたところというふうに聞いておりますので、しっかりとやはりマニフェストでお約束をしたことも......、軸足を置きながらですね、どういう形でどういう工程表を作って改革をしていけばいいかということを取り組んでいきたい。
それから例の3号の問題ですとか、それから年金記録の問題とか......、年金と言っても、新しい方向性だけではなくていろんな問題がありますので、それは1つひとつ対応していくことかなというふうに思っております。
それから、医療についてはまあ、問題が非常にたくさんあることは認識をしております。これもやはり、小手先でやっててもなかなか変わらない部分があるものと思っておりますので、社会保障改革の中で立てたことを......
まだ、これもまだアラアラの骨の部分で、これからそれを具体的にどう具体化をしていくかということだった思っていますので、医療の、その診療科ごとの偏在の問題だとか、過疎地域の問題だとか、そういうような問題の解決と、あるいはあの......
 今、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの問題に取り組んだりしていて、国際的にもきちんと競争ができるようにしていきたい。
 それから、その......、そうですね、健康のほうのまた、あの......、なんでしょ、「ツーリズム」って言うといけないんですよね? 各国からまた、日本の、その医療を......、えー......、世界的にもちゃんとあの......、訴えていけるような、そういうような、ライフ・イノベーションということにも、医療も関わってくるのだと思っていますし......。
 そういう意味ではなかなか、医療とか年金、介護、その辺りは「効率化ができていない」っていう言い方を結構あの......、えー......、その財源のほうを考える人たちからは言われていますけれど、それはやはりあの、先ほどのあちらの会見でも言いましたけれども、超少子高齢社会の中で、やはり生活の安心、「国民の生活が第一」と言ってきたこの政権ですので、そこのところは......。
 もちろん、効率化のできるところはしていけばいいと思いますけれども、基本的には安心して医療にかかれて、介護を受けられて、そして年金も、若い人たちも......、頼りにならないと思うから国民年金の納付率が低かったりするので、そこはやはり、言ってきましたような最低保障年金のところも、これは番号制度とも大いに関わると思いますけれども、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

…この文章の通りにしゃべったとすると、質問されるまで医療についてなにも考えてなかったとしか思えませんな。医療から話しそらしてるし
少なくとも自分の言葉ではなく、官僚か野田首相かの指導内容を復唱しているような印象ですね

まぁ、とりあえずこの人の辞書には、医療費増や医師の絶対的不足という単語は登録されていないようです
医療については素人判断かますか、傀儡になるかのどちらかでしょうね


その他、ネットでみられた発言からプロファイリングさせてもらうなら、非常に狭視野的な人物であると思われます

実際、内側からも既に突っ込まれてますね


http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011090200349
  ◇厚労省
子ども手当見直しが決まった厚生労働省では、小宮山洋子副大臣が大臣に昇格。同手当導入の立役者として見直しに最後まで反対したが、ある幹部は「決まった後は割り切るタイプ」と評価。子どもや女性を支援する政策に熱心に取り組んできたため、関連部署では「期待している」と笑顔が広がった。
しかし同省は年金、医療から介護、労働まで幅広くカバーする巨大官庁。「関心に偏りがある。ほかの分野を担っていけるかどうか」(中堅職員)と疑問の声も上がった

ふぅ、どうも医療関係の副大臣に誰が入るかが私たちの運命の分かれ道になりそうです
ゼークトの論ではありませんが、無能な働き者でいられるよりは、無能な怠け者であってくれた方がいいのかも知れません


しかし、不安だらけの新政権の中で、珍しくまともな意見も聞かれました
ランセット日本特集号記念シンポジウムの中での一コマだそうですが


民主党政調会長の前原誠司氏。シンポジウムの途中に現れ、次のように挨拶して、すぐに会場を後にしました。「人口動態がこれから変わっていく中で、日本の医療制度は様々な不断の見直しが必要。また医療、そして健康の問題は、国際協力なしにはできなくなっている。(諸外国において)特に感染症、その原因となる貧困対策については、『人間の安全保障』の観点から国際社会が連携していくことが重要。これらの課題に関しては、与野党を超えて、国民への安心提供のために取り組んでいきたい」。

この人、人口動態と医療需要が直接リンクしていて、常に変化していることわかってるんですねぇ…
でも、この人も自爆したんですよねぇ


まぁ、新内閣もはじまる前から既に火種だらけですが



野田首相:資金管理団体 在日韓国人の男性から献金受ける
http://mainichi.jp/select/today/news/20110904k0000m040025000c.html

石破氏「一川防衛相任命、首相は自衛官の息子らしくない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110903/plc11090310010014-n1.htm



私が新政権に求めるのは、改革などというよけいなことはしないで分を守ってくれという、ただそれだけのことです