がんワクチン報道で朝日新聞を提訴、東大医科研・中村教授ら
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/31331.html
これに対する朝日の「反論」は相変わらず意図的としか思えないほど歯車がかみ合ってないのですが
http://www.asahi.com/health/news/TKY201012080427.htmlこの先は裁判所でのバトルになるので、今回は朝日がんワクチン騒動の方をやろうと思ってたんですが、予定変更して時間外訴訟の続報に行きたいと思います。
奈良県の時間外労働訴訟が最高裁までもつれ込んだことは前回書きましたが、その後、全国でこれに呼応するかのような報道がされました
東大病院など違法超過勤務、是正勧告8回
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101208-OYT1T00155.htm
京都府立医大 残業代3億円支払わず
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20101207059.html
(岩手)県立病院、違法時間外労働22年 労使協定結ばず
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101208_2
和歌山県立医大病院が残業割増分6000万円未払い
http://www.asahi.com/job/news/OSK201012060123.html
他にも報道されてるかも知れませんが、フォローできたのはこれだけです
大学3件、自治体病院1件ですが、興味深いのは労基署はこれらに「以前から」是正勧告をしていたと言うことです
つまり、違法状態は認識していたが、手は出せなかったということでしょうか?
特に大学の場合、人事院が「見て見ぬふり」をしていた問題に、独法化を機に労基署が「大学病院といえども例外ではない」と踏み込んできたと言うことでしょうか?
奈良県の行き先次第では、ビッグバンが起こる可能性は充分にあると言うことです
(もっとも、一票の格差論争にみたいに延々訴訟が続く可能性の方が大ですが)
さて、ここで各病院の言い分を聞いてみましょう
まずは各ブログで既に散々叩かれてる東大ですが
同大によると、是正勧告を受けたのは、付属病院が4回、医科研が2回、医学部と研究協力部が各1回の計8回。うち付属病院の未払い賃金額は約7457万円と全体の7割以上を占めた。04年以降、ほぼ毎年勧告を受け続けており、労基法違反が常態化していた。
労使協定で定めた時間外労働の上限は、急患対応や入試などの特別事情を除き月45時間。しかし、職員や上司が、時間外労働として報告すべき残業を「自主研究」と勘違いして報告しなかったりして、正確な勤務状況を把握していなかったという。同大は未払い分を全額支払い済みだが、「勧告を誠実に受け止め改めて周知徹底する」(同大本部広報課)としている。
とんでもねーくらい開き直ってますなw
しかも東大のいう「全額」というのが本当に「全額」であるわけはないでしょう
時間外労働が月45時間で済んでると誰が信じます?(「急患対応」って便利な言葉ですよねw)
仮にこの言い分が正しいとしてもですね、
研究は労働時間ではないって『大学』でありながら何言ってるんでしょうか?
東大ですら研究者は減少していると騒がれていますが、東大ですらこういう状態で、日本の医学研究が発展すると本気で思っているんでしょうか?
次、京都府立医大
大学によると、医師と同病院の間で時間外労働に関する協定がなく、2007年12月と09年10月に当直手当以外の賃金が支払われていないとして是正勧告を受けた。大学側は08年4月の法人化以降の時間外労働のうち、約1億6000万円をすでに支払い、残りも本年度中に支払うという。
大学は「09年12月に時間外労働に関する規約をつくり、現在は適正に支払っている」としている。
「規約」の内容が非常に気になるところですが、情報不足すぎてあまり突っ込めませんが、医師に1億6000万払ったのなら、マシな方なのでしょうか?
次、和歌山県立医大病院
大学総務課などによると、2009年6~8月、医師や職員の超勤手当を払っていなかったとして同年10月に是正勧告を受け、283人に計5617万円を支給した。紀北分院(同県かつらぎ町)も08年11月に是正勧告を受け、82人に計414万円を払った。
同病院では、外来患者への対応や緊急手術などの際は超勤手当を支払っているが、それ以外の時間は当直手当のみとしている。現在も運用は変えていないといい、担当者は「直ちに運用を変えると経営が立ちゆかなくなる。今後の対応は決まっていない」と話している。
どうやら、奈良県と運命を共にすると言うことだそうです
最後、岩手県立病院
県医療局によると、36協定は今年3月30日に再締結され、違法状態は解消した。医師を除く残業の上限時間は1カ月20時間、年間240時間とした。 5月1日現在の医療局職員は4742人で、管理職約120人を除く約4600人が36協定の対象となる。
医師は?
ねぇ、医師は??
来週は学会のため休刊するかも知れませんが、次回はよほど大事件が起きない限りは
「モチベーション3.0からみた日本の医療の変化」を
考察したいと思います