「診療報酬本体」+1.379%「薬価・材料費」-1.375%=「診療報酬全体」+0.004%
というわけで、綱引きはど真ん中で決着したようです
この決着は、大局的な長期政策ではなく、民主党内部の政治的駆け引きという感じのようです
診療報酬プラス改定「最後は官房長官判断」- 安住財務相
安住淳財務相は22日の閣議後の記者会見で、2012年度診療報酬改定の改定率が全体(ネット)で0.004%の引き上げで決着したことについて、「最後は(藤村修)官房長官にご判断いただいた。それはやむを得なかった部分もある」と述べた。
この官房長官ですが、まったく名を知らなかったので経歴をみたところ
2009年、ネクスト厚生労働大臣
2010年、菅第1次改造内閣で厚生労働副大臣(大臣は細川律夫)
というわけで、 野田グループではあるものの、立場的には野田内閣と民主党の中継役というところでしょうか
もしかしたらマニフェストの作成に関与していたかも知れません
で、この0.004%の評価ですが、
プラス改定「医療を守っていく姿勢示せた」- 小宮山厚労相
「この政権として医療をしっかりと守っていくという姿勢は示せた」と述べた。一方、プラス改定となったことで国民負担が増加することについては、「国民の負担がどういう形でどこに使われて、それが今の医療の体系の維持にどう役立っているかを分かりやすく説明しないといけないが、安心してお産ができるようになったり、小児科医不足が解消したりすることに結び付くことが分かれば、納得していただけると思う」と強調した。
日医原中会長、プラス改定は「95点」
日本医師会は22日、緊急記者会見を開き、2012年度診療報酬改定の改定率が全体(ネット)で0.004%の引き上げで決着したことについて、医師の疲弊や地域医療の崩壊を食い止めるものと評価する見解を発表した。同会の原中勝征会長は、「(100点満点で)95点くらい」とプラス改定の実現に高い点数を付けた。
日医の見解では、「医師の疲弊、産科医療・小児医療・救急医療など、地域医療の崩壊を少なからず食い止めるものと確信している」と診療報酬のプラス改定を評価。
0.004%アップ ネット上の声さまざま- 「財務省を押し返した」「横ばい」
長妻昭・元厚労相は「今回の改定でもほんの少しプラスになり、医療立て直しの歩みを続けることができた」と評価。山井和則・元厚労政務官も「診療報酬は二回連続、政権交代のあと、ネットプラスとなり、マニフェストを実現できた」。
厚労省の幹部は「数字の前の符号は大事なんです」と、小宮山洋子厚労相の成果を強調した。
なんつーか、自演乙wって感じです
日医も、原中氏も結局は政権べったりになって、とても専門家集団とは言えない有様です
これに対して、当たり前ですけど、世間の声は冷たいです
ただ、一般の人たちの書き込みには、「そこまで小数点以下の改定率にするか。辛うじてプラスだけど、四捨五入すればプラマイゼロ?」「企業だとこんなの横ばいと言うんです」といった厳しい意見が目立つ。
医療系業界誌のある記者は、「プラス改定ともとれれば、プラスマイナスゼロ改定ともとれ、長期収載品の引き下げ分を引けば実質はマイナス改定でもある。どうにでも解釈できる」とつぶやいた。
とまぁ、要は解釈次第でどうともとれる玉虫色の結果です
つーか、+0.004%っていくら増えるのよ?
医療費を40兆円(厚労相発表)として、0.004%っていくら?
ちょっと計算してみましょう
(4*10^13)×(4×10^-5)=16*10^8
…16億しかねぇじゃん!
どうみても、横ばい以外のなにものでもないですね
これで「安心のお産」「小児科医不足対策」「地域医療崩壊阻止」ができると?
年末ジョークにしてはきついですねぇ
数字上の解釈はどうあれ、現場の現実はただ1つです
戦線が膠着状態であるならば、戦線維持という言い訳が立ちます
戦線が回復しつつあるならば、彼らが主張する通りでしょう
しかし、前回改訂で医療費を少々増やしたところで、状況は好転しましたか?しませんでしたね?
だって、自民党政権下では社会保障分野は毎年2200億円減ってましたから
この結論は、現在崩壊している戦線に援軍を送らないと言うことです
医療崩壊は、あと2年は続きますね
まぁ、2.3%引き下げを+-0にまで持ち込んだ長妻元厚労大臣には、お疲れ様でしたとは言っておきましょう
でも、ここで「まだ足りない」といえない当たりが、やはり派閥・官僚政治の限界なのでしょう